第6回日本薬学教育学会大会

大会長 挨拶

第6回 日本薬学教育学会大会 大会長
名城大学薬学部教授 灘井 雅行

大会長写真

第6回日本薬学教育学会大会開催にあたって

近年、我が国は、少子高齢化、医療の高度化やAI技術の進展など社会構造の変動期にあります。薬学教育についても、2006年から薬剤師教育に重点を置いた6年制薬学教育が開始され、早15年が経過しました。この期間中、2015年から適用された改訂モデル・コアカリキュラムでは「何を教えたか」ではなく、「何が出来るようになったか」という学習成果を基盤とした教育が求められています。このような背景から、薬学教育の更なる充実と発展を目指して薬学教育に関する研究の推進を求める声が高まり、2016年8月に、研究成果の発信とその教育現場における実践・検証も含めた情報共有の場を提供することを目的として、日本薬学教育学会が設立されました。その後、同年8月に京都薬科大学で「薬学教育の原点」をテーマとした第1回大会が開催されて以来、2020年9月に帝京大学で開催された第5回大会まで5回の大会を重ねて参りましたが、いずれの大会においても、薬学教育に携わる大学教員や病院、薬局の薬剤師、薬学部生、大学院学生など多数の方々に参加いただき、薬学教育の向上につながる多くの研究成果を共有することができました。

さて、第6回日本薬学教育学会大会は2021年(令和3年)8月21日(土)・22日(日)に、名城大学が担当校となり、名城大学八事キャンパス(名古屋市天白区)での開催を目指して準備をしてまいりましたが、コロナ禍における今日の社会状況を鑑み、対面形式での学会開催を行わず、Web形式での開催を目指すことにいたしました。

社会構造の変化が新型コロナウイルス感染症の発生や感染の拡大に密接に関連していることは報道等で伝えられているとおりです。このような状況下であるからこそ、医療に携わる薬剤師には、より一層高度な専門知識が求められます。2021年は新型コロナウイルスの収束を願いつつも、コロナ禍という新たな日常において、薬剤師に求められる10の資質を身につけるための体験学習、実務実習、卒業研究を含む多様な薬学教育を実践するため、大会のテーマは「今を挑戦する薬学教育-ニューノーマル時代の学び-」とさせて頂きました。Web形式による学会開催となりましても薬剤師として必要不可欠な知識、技能に加え、医療人としての心と態度を身に付け、高い志と幅広い視野を持ち、これからの医療を担う医療チームの一員として、国民の健康な生活の確保する薬剤師、ファーマシスト・サイエンティストとして活躍できる薬剤師、さらに薬学教育者・研究者等を輩出し続けるため、コロナ禍の今、新たな学びの形を創造していく必要があると考えます。そこで、環境の変化に挑戦していくことへの願い、期待を込めたテーマとともに、参加者の皆様方ご自身に、本大会においてWebを介した情報の発信・受信をご経験頂き、薬学領域におけるオンライン教育の在り方をお考え頂く良い機会として捉えていただけたら幸いです。

名城大学の関係者一同、皆様にとって有意義な大会となりますよう、鋭意準備を整えて参りますが、皆様におかれましても、Web形式での本大会へのご参加、ならびにご支援とご協力をお願い申し上げます。

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